技能実習制度について分りやすく解説

外国人関連

技能実習制度の目的

技能実習制度は、外国人技能実習生が日本で一定期間、技能や技術を習得し、母国の経済発展に寄与することを目的としています。具体的には、日本の企業が外国人技能実習生を受け入れ、現場での実務を通じて技能を学んでもらい、母国に帰ってその技術を生かしてもらうということです。

技能実習生は労働力不足の解消のために働かせてはならないと定められています。一方で、雇用する際には、技能実習生は日本の労働者と同じように労働関係の法律が適用され、適切に保護されることが必要です。(下図は厚生労働省「技能実習制度の仕組み」より)

技能実習の種別

技能実習は、次の3つに区分されます。

第1号技能実習入国後1年目の技能等を修得する活動
第2号技能実習入国後2・3年目の技能等に習熟するための活動
第3号技能実習入国後4・5年目の技能等に熟達する活動

対象の業種、職種について

技能実習制度の対象業種は、「農業」、「漁業」、「建設」、「食品製造」、「繊維・衣服」、「機械金属」他90職種、165作業に渡っています。

詳細は下記をご参照

2つの受け入れ方法

技能実習制度では、下記の通り2通りの受け入れ方法があります。

企業単独型受入れ企業と密接な関係にある海外の企業から技能実習生を受入れる。
団体監理型監理団体が技能実習生を受入れて傘下の企業等で技能実習を行う。

なお、企業単独型で受け入れた場合は資格の後ろに「イ」を付けて技能実習1号イなどと言い、団体監理型で受け入れた場合は「ロ」を付けて技能実習1号ロのように言います。

実際には、企業単独型は海外に支社などがある大企業のみが対象となるためレアケースです。多くの企業では、基本的に監理団体を通じて外国人を受け入れることが必要となります。そして、監理団体型では、さらに「一般監理団体」と「特定監理団体」に分類されます。一般監理団体として監理事業を行うには、より厳しい基準を満たしていることが求められています。

区分監理できる資格許可の有効期限
一般監理団体技能実習1号 
技能実習2号
技能実習3号
5年または7年
特定監理団体技能実習1号
技能実習2号
3年または5年
※第3号の受入れをする場合は一般監理団体の申請を外国人技能実習機構の本部事務所の審査課に申請し、大臣によって認定される必要があります。

監理団体の役割

監理団体の主な役割は、技能実習生や受け入れ企業(実習実施者)の適正な技能実習のサポートです。具体的には、技能実習生が就労する際の労働条件の確認、適正な技能実習の実施の進行のサポート、緊急時のサポート等です。技能実習生が技術や技能を学ぶだけでなく、安全で健全な環境での生活を送れるようサポートすることも非常に重要な役割のひとつです。

技能実習生受け入れの流れ(監理団体型)

受け入れ企業 監理団体送出機関
1海外「送出機関」と契約
2監理団体許可申請(外国人技能実習機構)
3監理団体許可(同上経由大臣が認可)
4技能実習生受け入れ申込 
5応募・選考・決定
6実習生と雇用契約
7実習計画作成・申請(外国人技能実習機構)
8実習計画認定(同上)
9在留資格認定証明書交付申請(地方出入国管理局
10同上交付(地方出入国管理局)
11在留資格認定証明書送付
12査証申請(在外公館)
13査証発給(在外公館)
14実習生入国
15技能実習開始
16指導・支援

技能実習生の在留期間

技能実習の期間は第1号技能実習であれば1年以内です。その後順次、第2号や第3号技能実習に移行した場合はそれぞれ2年以内と決められています。つまり、技能実習生として実習が行えるのは合計で5年が限度です。

技能実習2号から特定技能1号への移行について

特定技能の制度について改正があり、技能実習2号から特定技能1号への移行のルートが開かれました。「技能実習2号」から「特定技能1号」移行の条件は、以下の2点です。

① 技能実習2号を「良好に修了」していること。

② 技能実習の職種・作業内容と、特定技能1号の業務に関連性が認められること。

技能実習を良好に3年間終了し(2号まで)、職種と作業内容が移行する特定技能1号の業務に関連性が認められる場合は、技能試験と日本語試験が免除されます。
技能実習時と異なる業務を行う場合でも、技能実習2号を良好に修了している場合は日本語試験が免除されます。

★技能実習生、特定技能外国人を雇用したいがどうしたらいいかわからないという企業様
 あるいは、受け入れに必要な計画書、申請書の作成を依頼したい企業様等お気軽にご相談ください。

手島行政書士事務所
行政書士 手島昭夫
〒102-0084千代田区二番町9-3 THE BASE麹町 W-212
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