建築物等の解体工事をするには、建設業許可か解体工事業の登録が必要
「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(「建設リサイクル法」)で、平成13年5月30日から「土木工事業」、「建築工事業」、「解体工事業」の建設業許可を持たずに、建築物や土木工作物等を解体する建設工事(解体工事)を営むには、(元請・下請にかかわらず)知事による解体工事業登録を受けなければならないことになりました。以下、東京都の場合について詳しく説明いたします。
登録の必要な業者とは
例えば、
- 解体工事を含む建設工事を請け負った者が、解体工事部分を他の者に下請けさせる場合であっても、土木工事業、建築工事業又は、解体工事業についての建設業許可を持たない場合は、元請、下請双方が、登録しなければなりません。
- 登録は解体工事を施工しようとする区域を管轄する都道府県知事に行うため、東京都内と他県内で解体工事を行う場合、営業所の有無にかかわらず、東京都知事と他県知事の登録が必要になります。
つまり、複数の都道府県で解体工事を行う場合には、たとえ営業所を置かない都道府県であっても、その区域を管轄する都道府県に登録しなければなりません。
なお、請負金額が500万円以上の解体工事又は解体工事を含む建設工事(建築一式工事に関するものは請負金額が1,500万円以上)を行う者は建設業法に基づき、建設業許可が必要となります。
登録の要件と技術管理者について
解体工事業の登録をするには、以下の2つの要件を満たしていなければなりません。
法で定める不適格要件に該当しないこと。
ア 登録申請書及び添付書類に虚偽の記載があったり、重要な事実の記載がなかった場合。
イ 解体工事業者としての適正な営業を期待し得ない場合
イとして登録を受けられない不適格要件としては具体的には次のようなものです。
登録を受けられない条件(登録を拒否される事由) | |
(1) | 解体工事業の登録を取り消された日から、2年を経過していない者 |
(2) | 解体工事業の業務停止を命ぜられ、その停止期間が経過しない者 |
(3) | 解体工事業の登録を取り消された法人において、その処分日の前30日以内に役員であり、かつその処分日から2年を経過していない者 |
(4) | 建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過していない者 |
(5) | 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者 |
(6) | 解体工事業者が法人の場合で、役員の中に、上記1~5のいずれかに該当する者がいるとき。 |
(7) | 解体工事業者が未成年で、法定代理人を立てている場合、法定代理人が上記1~5のいずれかに該当するとき。 |
(8) | 技術管理者を選定していない者 |
(9) | 暴力団員等がその事業活動を支配する者 |
技術管理者がいること
『技術管理者』について
技術管理者とは、解体工事の現場において、解体工事の施工の技術上の管理をつかさどる者をいいます。技術管理者として認められるための要件については、次のA〜Eのどれかを満たす必要があります。
A 次のような一定の実務経験を有するもの者
(1) | 大学で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し2年以上の実務経験を有する者 |
(2) | 高等専門学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し2年以上の実務経験を有する者 |
(3) | 高等学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し4年以上の実務経験を有する者 |
(4) | 中等教育学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し4年以上の実務経験を有する者 |
(5) | 解体工事に関し8年以上の実務経験を有する者 |
B 次のいずれかの資格を有する者
(6) | 1級建設機械施工技士 |
(7) | 2級建設機械施工技士(種別「第1種」又は「第2種」に限る。) |
(8) | 1級土木施工管理技士 |
(9) | 2級土木施工管理技士(種別「土木」に限る。) |
(10) | 1級建築施工管理技士 |
(11) | 2級建築施工管理技士(種別「建築」又は「躯体」に限る。) |
(12) | 1級建築士 |
(13) | 2級建築士 |
(14) | 1級のとび又はとび工の技能検定に合格した者 |
(15) | 2級のとび又はとび工の技能検定に合格した後、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する者 |
(16) | 技術士(2次試験のうち建設部門に合格した者に限る。) |
C 次のいずれかに該当する者で、国土交通大臣が実施する講習又は登録した講習を受講した者(注2)
(17) | 大学で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する者 |
(18) | 高等専門学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する者 |
(19) | 高等学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者 |
(20) | 中等教育学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者 |
(21) | 解体工事に関し7年以上の実務経験を有する者 |
・公益社団法人全国解体工事業団体連合会
・株式会社日本解体工事技術協会(平成20年12月31日廃止)
受講修了証や合格証明書の再発行などの事務の一部については、公益社団法人全国解体工事業団体 連合会に引き継がれています。
D 国土交通大臣の登録を受けた試験に合格した者
これには上記Cの下段(注2)に記載の2団体が実施する解体工事施工技士の試験に合格した者が該当する。
E 国土交通大臣が上記A~Dと同等以上の知識及び技能を有すると認定した者
登録の有効期間
登録期間は5年間有効です。引き続き解体工事業を営む場合は有効期間満了の2ヵ月前から30日前までに登録の更新をする必要があります。
登録手数料
東京都手数料は下記のとおりです。
新規登録 | 45,000円 |
登録の更新 | 26,000円(5年ごとに登録の更新が必要になります。) |
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手島行政書士事務所
行政書士 手島昭夫
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