留学ビザから就労ビザへの変更について

外国人関連

日本に来ている留学生がそのまま日本で就職する場合、学業を目的とする「留学」ビザでは就労が認められません。職務に応じた就労ビザに変更する必要があります。以下では、留学ビザから就労ビザへの変更の際に選択される代表的なものとして「技術・人文知識・国際業務」「特定活動46号」について説明してみましょう。

「技術・人文知識・国際業務」ビザへの変更

「技術・人文知識・国際業務」ビザは、企業や団体等と契約し、事務職やエンジニアなど専門的・技術的素養を必要とする、いわゆるホワイトカラーの外国人が取得できるビザです。

申請手続きの要件と必要書類

留学ビザから「技術・人文知識・国際業務」ビザヘの在留資格変更申請を行う際には、下記の要件を満たし関連書類を収集・作成し提出する必要があります。

必要要件

  • 学歴や業務内容の適合性
    大学や専門学校で学んだ分野が、就職先で従事する予定の業務と一致している必要があります。例えば、経済学を学んでいた留学生が経理業務に従事する場合は、関連性があると判断され易いわけです。一方、特段の技術又は知識を必要としない単純業務などでは「技術・人文知識・国際業務」ビザは取得できません。例えば、商学部を卒業した留学生が弁当の箱詰め作業に従事するという申請をしても承認されることはありません。
  • 就職先の安定性・継続性
    就職先の企業が安定して継続的に運営されていることも要件の一つです。安定した企業であることを証明するために、企業の決算書や登記事項証明書その他の書類を提出して審査が行われます。

必要書類

1在留資格変更許可申請書
2写真1枚
3パスポート及び在留カード 提示
4申請人の学歴及び職歴書(専門学校卒業の場合、専門士または高度専門士であることを証明する書類)
5雇用契約書等
6卒業見込み証明書や卒業証明書
7企業の説明書類(企業の登記事項証明書や決算書、会社案内のパンフレットなど、企業の信頼性を証明する資料が必要です。)

申請時の注意点

  • 提出期限
    現在の在留資格が有効な期間内に申請を行う必要があります。就職が決まったら速やかに申請を進めることお勧めします。4月1日入社の場合、入管には前年12月1日から申請が可能です。
  • 活動内容の一貫性
    学んだ内容と業務内容が異なる場合、審査が通らなくなる可能性があります。特に「技術・人文知識・国際業務」の場合、大学卒業生については専攻科目と従事しようとする業務との関連性の判断が比較的柔軟に行われている一方で、専門学校卒業性については「相当程度」の関連性が求められ審査のハードルは高くなっています。異なる分野への就職を希望する際は、入管への事前相談をした方が良いでしょう。
  • 安定的な就労を証明すること
    就労する企業が新規・設立間もない場合、事業の安定性を示すための資料が求められます。

「特定活動(46号)」ビザへの変更

留学ビアから就労ビザへの変更でもう一つ多いのがこの「特定活動(46号)」です。「技術・人文知識・国際業務」との違いは、高い日本語能力を持っていることを要件として、一般的に「技術・人文知識・国際業務」で就労することが認められないサービスや製造分野の現場仕事が認められていることです。

具体例としては以下のようなものがあります。
・飲食店で店舗管理業務や通訳を兼ねた接客業務を行う。(日本人への接客も可)
 ただし、厨房での皿洗いや清掃のみ従事というのはダメ

・工場のラインで、日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対し外国語で伝達・指導しつつ自らもラインに入って作業を行う。
 ただし、ラインで指示された作業のみ行うのはダメ

申請手続きの要件と必要書類

必要要件

.学歴
次のいずれかの要件を満たすことです。 
① 日本の大学を卒業または日本の大学院を修了したもの
② 日本の短大もしくは高専を卒業後機構(※1)の審査に合格し学位を授与されたもの
③ 文科大臣の認定をうけた特別な専門学校(※2)を修了し、高度専門士の称号を受けたもの
 ※1 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構
 ※2 「認定専修学校専門課程」

2.日本語能力について
次のいずれかの要件を満たすことです。
ア.日本語能力試験N1またはJTB日本語能力テスト480点以上
イ 日本の大学または大学院で「日本語」を専攻し卒業・修了したものは上記を満たすものとします。

必要書類

1在留資格変更許可申請書
2写真 1葉
3パスポート及び在留カード 提示
4雇用契約書等
5雇用理由書 (従事するのが日本語を用いた業務であることがわかる資料)
6申請人の学歴等を証明する文書
7申請人の日本語能力を証明する文書
8企業の説明書類(企業の登記事項証明書や決算書、会社案内のパンフレットなど、企業の信頼性を証明する資料が必要です。)

「技術・人文知識・国際業務」と「特定活動(46号)」の違い

上記にて説明した2つのビザ(在留資格)を比べてみると次のようになります。

ビザ種類技術・人文知識・国際業務特定活動(46号)
学歴要件あり(実務経験でも可)  あり(日本の大学か大学院)
日本語能力 なしあり(高度な日本語能力)
現場仕事の可否原則不可
転職の場合の申請  不要(更新の際転職先を審査)要申請

当事務所では、ビザ(在留資格)変更のご相談や申請サポートを承っております。迅速かつ確実なサポートを通じて、ビザ(在留資格)変更の手続きをスムーズに進めるお手伝いをいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

手島行政書士事務所
行政書士 手島昭夫
〒102-0084千代田区二番町9-3 THE BASE麹町 W-212
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メール tejima7217@gmail.com 

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